高位脛骨骨切り術とは

膝周囲の骨切り術は変形性膝関節症に対する手術の1つで、色々な術式がありますが、多いのはO脚に変形した下肢の骨の角度を変えて矯正することにより膝の内側に偏った体重のストレスを、比較的きれいな軟骨がある外側へ移動させ、痛みを改善させる手術です。

この手術治療の最大のメリットとしては、膝の内側が痛い方が自身の膝関節を残したまま症状を改善することが期待できる点です。関節が温存、再生されるので、正座など日常生活に対する制限が少なく、正座やスポーツや農業などの仕事に復帰される方が多くいます。

身体への負担が少ない手術なので、手術後の経過や個人差にもよりますが、多くの方は手術後2週間以内で歩行することもでき、入院期間も4週間程度です。

骨が癒合後、術後約1年で金属を取る手術が必要になりますが、将来的に人工関節になるまでの年数を伸ばすことや、回避できることもゼロではありません。

手術後にすねの骨がまっすぐになっていることが分かります。

理事長 石井聡大 【専門分野】膝・股関節