「せき(咳)について」

内科を受診される患者さんの症状は多岐にわたりますが、その中で最も多いとされるのが「せき(咳)」です。漢字で書くとたった一文字ですが、咳は日常生活において色々な面で支障をきたします。患者さんご自身が辛いのはもちろんのこと、「周りのご家族にうつらないだろうか」といった心配もコロナ禍以降より目立ってきたように思います。長く続くとメンタルヘルスにも影響して気分の落ち込みが起こることもありますし、激しい咳の場合は肋骨骨折を起こすこともあります。

そんな「咳」ですが、原因は非常に多彩です。風邪やマイコプラズマなどの感染症によるものが最も多いですが、ぜんそくや肺気腫(今は慢性閉塞性肺疾患=COPDと呼ばれています)、間質性肺炎、悪いときには肺がんなど悪性の病気のこともあります。長引くほど感染症の割合は下がり、それ以外の原因を考えていく必要があり、頻度は高いのに専門医でも苦戦することも多い症状となっています。

たん(痰)や息苦しさなどの随伴症状があるかどうか、も大切なヒントになりますので、ぜひ教えていただけると大変参考になります。当院ではCTによる詳しい肺の評価も可能となっており、加えて当日すぐに撮影して結果を確認することができるので、呼吸器領域で精密検査をするのにとても適した環境が整っていると感じています。

咳は経過が長いほど止めるのが難しく時間がかかることが多いですが、色々とお話を聞かせていただき一緒に原因を見つけて治療していきたいと思っています。「年齢のせい」「タバコを吸っているから」と決めつけるのではなく、咳でお困りの方がおられましたらぜひ一度ご相談ください。

地元新聞掲載                                              執筆者.日本呼吸器学会 呼吸器専門医 中尾 明