「肺炎から命を守る;ワクチンについて」

呼吸器内科医としてこの街に赴任し、一年が経ちました。この地域での日々の診療の中で、皆さんの健やかな生活を守るための要(かなめ)の一つが「肺炎の予防」だと感じております。肺炎は日本の死因の第5位であり、その多くをご高齢の方が占めています。
特に重要なのが、重症化を招く「肺炎球菌」への対策です。2026年4月より定期接種(公費助成)制度が新しくなり、従来の「23価」に加え近年の流行に沿った、より長期の予防効果が期待される「21価」などの新型ワクチンが選択肢に加わりました。現時点で助成の対象は限られますが、これらは一度の接種で長く効果が持続し、皆さんの「一生ものの守り」となります。
さらに当院では、肺炎の隠れた原因として注目されている「RSウイルス感染症」のワクチンも導入いたしました。乳幼児の病気と思われがちですが、実は高齢者が感染すると重い肺炎を引き起こすリスクがあります。
医療資源が限られる地域だからこそ、「病気にならない体づくり」の意義は極めて大きくなります。ワクチンは種類が増え、組み合わせも多様化しています。「以前打ったけれど、次はどうすれば?」と迷われる方も多いでしょう。制度の切り替わりは、ご自身の健康管理を見直す良い機会です。まずはかかりつけ医や、我々専門医へお気軽にご相談ください。住み慣れたこの街で、皆さんが一日でも長く元気に生活できるよう、精一杯サポートいたします。

地元新聞掲載                                              執筆者.日本呼吸器学会 呼吸器専門医                                                     中尾 明