全人工膝関節置換術

担当医師

石井 聡大
前山 彰
(福岡大学
整形外科准教授)
松永 大樹
(福岡大学病院)

全人工膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty:TKA)

人工膝関節置換術とは

変形性膝関節症などの疾患が原因で、傷んで変形したひざ関節の表面の骨を取り除き、人工関節に入れ替えることにより、痛みが和らぎ歩行能力が改善される手術です。
人工膝関節全置換術には、ひざ関節部分をすべて人工関節に入れ替える全置換術と部分的に入れ替える部分置換術があります。それぞれひざ関節の痛みの進行具合や軟骨の擦り減り方などで術式は変わってきます。

メリットとは

この手術のメリットとして、痛みを和らげることができることが挙げられます。新しいひざに慣れるとほとんど痛みやこわばりが気になることはなく、日常的な動作ができるようになります。他にも脚がまっすぐ伸び姿勢が良くなり、安定した歩行を取り戻す事ができます。

デメリットとは

一方デメリットとして人工関節は一生使うことができません。人工関節が緩んだり、擦り減る可能性がある為、10年から15年程で交換が必要になってきます。そしてひざの曲がりは90°から120°前後までと制限が付くことがあるので大きく曲げることができません。正座やスポーツなど一定の制限がかかってしまう場合もあります。

膝関節の仕組み

よくあるご質問

Q.退院後日常生活で気を付けることはありますか?
手術前に出来ていたことは、基本的には制限なく行うことができます。ただし、激しい運動などは制限がかかる場合があります。
Q.手術を受けるタイミングはいつでしょうか?
患者様によって違いはありますが、痛みが続き投薬やリハビリを行っても効果があまり無い場合やひざが原因で日常生活や仕事への支障が大きい場合など総合して判断します。
Q.手術をすることで、最大のメリットは何ですか?
関節の痛みの原因になるものを取り除くので、痛みが取れるという点が挙げられます。
その他にも痛みや変形が無くなるため関節の動きが良くなり可動範囲が広がります。

人工関節置換術
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