全人工股関節置換術

担当医師

山本 卓明
(福岡大学主任教授)
木下 浩一
(福岡大学病院)

全人工股関節置換術(Total Hip Arthroplasty:THA)

人工股関節置換術とは

股関節の軟骨がすり減ることによる痛みや、関節の動きが悪くなり歩行が困難になった方、骨折や変形性股関節症などの変形した関節を人工関節と入れ替えることで痛みをなくし、歩行能力を改善する手術です。

メリットについて

この手術のメリットとして、痛みを和らげることが挙げられます。また股関節が安定することから、安定した歩行を取り戻す事ができます。脚もまっすぐに伸びて姿勢が良くなり他の関節への負担を軽減されます。

デメリットとして

一方デメリットとして、1つ目は人工関節が緩んだり、擦り減る可能性があります。そのため、30年ほどで交換が必要になる場合があります。二つ目は元の関節と比べて脱臼しやすいことが挙げられます。これは人工関節ならではの理由で、関節のかみ合わせが自身の関節のかみ合わせの深さに比べ多少浅い構造になっているため動作によってはどうしても脱臼しやすくなる場合があります。

股関節のしくみ

よくあるご質問

Q.退院後正座はしない方がいいのでしょうか?
股関節をねじらなければ、正座やあぐらの姿勢をとっていただいても問題ありません。
Q.日常生活でどんな姿勢が良くないのでしょうか?
体育座りや足を組む、横座り等の姿勢は避けたほうがいいでしょう。
外出先での和式トイレや、普段使わない高い位置や低い位置にあるものを取り出す動作など、あまり日常的でない動作ほど無意識に危険な動きをしてしまいがちなので、注意が必要です。
Q.人工関節を長持ちさせるにはどういったことに気をつければいいでしょうか?
トイレを洋式に変えることや肥満に気を付けることです。その他にも日常的な生活でイスやベッドを使ったほうが人工関節への負担は減らすことができます。

人工関節置換術
パンフレット